二重整形
眼瞼下垂

INDEX
瞼が下がって目の開きが悪くなる「眼瞼下垂」。放置していると生活の質が低下するため適切な治療を受けることが大切です。本記事では眼瞼下垂術におけるメリット・デメリットを解説。得られる効果や起こりうるトラブルをしっかり理解しておきましょう。
ABOUT
眼瞼下垂とは
【眼瞼下垂の主な症状】
瞼が重く、下がっている
目が見えにくい
いつも眠たそうに見える
二重の幅が狭くなる
二重が三重や四重になる
額のシワが目立つ
頭痛や肩こりに悩まされる
疲れやすくなる

眼瞼下垂とは、上瞼が正常な位置よりも下がることで視界が狭く感じられる病態のこと。「上瞼を上げる筋肉が弱まる」「筋肉から瞼へ力を伝える膜が緩む」「瞼を上げることを指令する神経の機能が低下する」などが原因で起こります。
眼瞼下垂が進行すると目が見えにくくなるほか、眼精疲労や頭痛などに悩まされるようになり日常生活に支障をきたします。不便に感じることが多くなるため、適切な診断と治療を受けることが大切です。
眼瞼下垂のセルフチェック
ひとつの目安として、黒目の中心から上瞼の縁までの距離が3.5mm以下の場合に眼瞼下垂と診断されます。自身でも行えるセルフチェック方法を以下にまとめたので、眼瞼下垂に当てはまるか否か一度確認してみてください。
セルフチェック1
- 鏡の前で目を閉じ、目を閉じた状態で眉毛から下に定規を固定する
- 定規を指で押さえたままゆっくり目を開ける
- スマートフォンなどのカメラ機能で鏡に映った自身の瞳を撮影する
- 撮影した画像で黒目の中心から上瞼の縁までを確認し、3.5mm以下なら眼瞼下垂の疑いがあります
セルフチェック2
- 目を閉じて顔を正面に向ける
- 眉毛の上を指で軽く押さえる
- 指で押さえたまま目を開ける
- 額に力が入る、目が開きにくい場合は眼瞼下垂の疑いがあります

TYPE
眼瞼下垂の種類

眼瞼下垂は「先天性眼瞼下垂」「後天性眼瞼下垂」「偽眼瞼下垂」の3種類に大別されます。それぞれ治療法が異なるため、自身の病態を正しく理解する必要があります。
生まれつきの先天性眼瞼下垂
出生直後からみられる眼瞼下垂が「先天性眼瞼下垂」。生まれながら上眼瞼挙筋の働きが弱かったり瞼を上げる筋肉を支配している神経に不都合があったりして生じます。
なお、片側性と両側性があり、片側性の場合は左右差で気づきやすいものの、両方の上瞼がわずかに垂れている場合は気づきにくい傾向です。まっすぐ前を見たときに視界が制限されるために、顎や眉を上げて物を見ようとするなら眼瞼下垂が疑われるでしょう。
重度の場合視力の発達に影響を及ぼして弱視になる恐れもあるため、違和感を感じたら早期に眼下を受診し、手術の必要性を判断してもらうのが賢明です。
大人になってからなる後天性眼瞼下垂
生まれつきではなく、後から瞼が下がってくる病態が「後天性眼瞼下垂」。多くの場合加齢による筋力の低下が原因で起こりますが、若年層でも目を擦る癖がある方やハードコンタクトレンズを長期装用している方、開眼器を使用する眼の手術を受けた経験がある方にも起こりやすい症状です。
眼瞼下垂とよく似た偽眼瞼下垂
偽眼瞼下垂は瞼を持ち上げる上眼瞼挙筋の力はあるものの、皮膚がたるんだり眼が凹んだりして瞼が重くなり、目が開きにくくなる状態のこと。
若い方で単純に一重瞼の場合は、自由診療の埋没二重術や切開二重術を受けるのがおすすめ。高齢で皮膚弛緩症が原因であれば、余分な皮膚の切除により改善が見込めます。
TYPE
眼瞼下垂術の種類

挙筋短縮術
挙筋短縮術は、上眼瞼挙筋自体を短縮する術式。伸びてしまった腱膜を瞼板から剥がして一部を切り取り、腱膜の長さを短縮して瞼板に縫合します。優れた効果を得やすく、瞼の重さが大きい方に好適。
手術時間は90分前後で、おおよそ1週間後に抜糸を行います。なお、術後2週間程度は腫れや内出血などが目立つ可能性があります。
ミュラータッキング
ミュラータッキングは、上眼瞼挙筋を糸で引き上げる術式。皮膚の表面を傷つけることなく目の開きにくさを改善できる利点がある一方、中等度以上の眼瞼下垂には効果が薄く、将来的に元に戻ってしまう懸念点もあります。
手術時間は30分前後で、挙筋短縮術と比較するとダウンタイムも短い傾向です。
挙筋腱膜前転術
挙筋腱膜前転術は、上眼瞼挙筋の腱膜を前転させて瞼板に固定する術式。瞼を開ける筋肉の力はあるものの、それが上手く伝達していない場合に行います。瞼の動きを自然に保てるのが美点。
手術時間は60分前後で、大きな腫れや内出血は術後2~3週間程度で治まります。
前頭筋吊り上げ術
前頭筋吊り上げ術は、前頭筋を利用して瞼を持ち上げる術式。瞼を持ち上げる筋肉がかなり弱いか全くない場合に行います。
所要時間は120分前後。この手術は眼瞼下垂が進行している方も効果が期待できる一方で、合併症として兎眼を起こす場合があり、角膜が傷ついたり角膜に白色の濁りを引き起こしたりするリスクがあります。
MERIT
眼瞼下垂術のメリット

目の開きが良くなり視野が広がる
日常生活への支障を軽減できる
保険適用になるケースが多い
眼瞼下垂術を行うことで目の開きが良くなり、狭まっていた視野が広がります。眼精疲労・頭痛・肩こりなど眼瞼下垂が原因で起こっていた症状の改善も期待でき、生活の質が向上するでしょう。
なお、上瞼が黒目の大部分まで下がって視野が極端に狭まっているなど、機能的に問題がある場合は保険適用になります。自由診療のように美容要素を追求することはできませんが、費用負担を軽減できるのはうれしいポイントです。
DEMERIT
眼瞼下垂術の
デメリットと注意点

【眼瞼下垂術における失敗例】
術後に腫れが引かない
左右差が生じる
ドライアイになる
眼瞼下垂術を受けた後は、一時的に腫れや内出血、赤みなどが生じる可能性があります。時間経過とともに症状は落ち着きますが、ダウンタイムを長期化させないためにも手術当日から3日間程は安静に過ごし、適度に目元を冷やすようにしましょう。
また、元々の目の左右差や腫れ・内出血、シミュレーション不足などが原因で術後の左右差が生じる恐れもあります。しばらくは経過観察が必要ですが、一向に改善されない場合は修正手術を検討するのが賢明です。
なお、術後直後はドライアイが起こりやすくなるのも懸念点。瞼が開くことで目の乾きを感じやすくなるだけでなく、人によってはまぶしさを感じる・目がゴロゴロする・視界がぼやけるなどの違和感を感じることもあります。対策としては、目薬を使う・目を休ませる・加湿器を使うなどが有効。外出時はサングラスをかけるのもおすすめです。

FUTURE
重度の眼瞼下垂は治療がおすすめ!
信頼できる医師に相談しよう
基本的には眼瞼下垂を放置していても、命に関わる問題が起こるわけではありません。ただし、重症化すると視野障害に繋がり、日常生活に支障をきたす恐れがあるため早めに対処するのが得策です。
なお、眼瞼下垂とひとくちに言っても種類や症状、治療方法などさまざま。抱えてる悩みを改善するためには経験豊富な医師の診察を受け、適切な処置を施してもらうことが大切です。
FAQ
眼瞼下垂術に
関する質問
-
眼瞼下垂になる原因は?
-
多くの場合は加齢による筋力の低下が原因ですが、必ずしもそうとは限りません。
後天性眼瞼下垂の場合、年齢とともに上瞼を上げる筋力が低下することで目が開きにくくなることがほとんどですが、先天性の方もいれば、コンタクトレンズの長期装用が要因の方もいます。
その他、内眼手術の既往がある方、生活習慣病を持っている方なども眼瞼下垂になりやすい傾向。原因はさまざまなため、眼科医で一度検査してもらうのが賢明です。
-
眼瞼下垂は自力で治せる?
-
眼瞼下垂を自力で治すことは困難です。
大前提として眼瞼下垂の治療法は手術であり、治療を受けずに自力で治すのは極めて困難。理由としては、眼瞼下垂の原因である筋肉(上眼瞼挙筋)の衰えを自然に鍛えて改善することが難しいことが挙げられます。
ただし、瞼への摩擦を最小限に抑える、ハードコンタクトレンズをやめるか装着時に瞼を引っ張らないようにするなどして、眼瞼下垂を予防することは可能です。
-
軽度の眼瞼下垂の治し方は?
-
「目の筋肉を鍛える」「目のマッサージを行う」「眼瞼下垂対策テープを貼る」などがあります。
瞼を強く閉じてゆっくり開く動作を繰り返して目の筋肉を鍛える
瞼の上を指で優しく押して円を描くようにマッサージする
目の筋肉を鍛える特殊な眼鏡や眼瞼下垂対策テープを貼る
軽度の眼瞼下垂の場合、上記のような方法で改善が期待できることもありますが、これらによって得られる効果には限度があります。原因を把握し、適切な手術を受けることが最も有効な治療法です。
-
眼瞼下垂の手術費用は?
-
保険適用の眼瞼下垂術の費用相場は、健康保険の1割負担から3割負担です。
保険適用で行う眼瞼下垂術の料金は全国一律。保険診療の3割負担であれば片側約18,000円(税込)~60,000円(税込)と手術内容によって異なります。(自己負担率は保険内容による)
-
眼瞼下垂術は保険適用?
-
基本的には健康保険が適用されます。
眼科医により眼瞼下垂と診断された場合は保険適用で手術を受けられます。ただし、希望に応じた二重幅や形のデザインを求めるなど、美容要素を重視する治療は保険適用外です。