「顔の脂肪をすっきりさせたい」とご相談にいらっしゃる方は、20代から60代まで年々増えています。ただし、40代以降の顔の脂肪吸引は、20代・30代と同じ感覚で考えると危険です。年齢が上がるほど皮膚が自力で縮む力は弱くなり、脂肪を取ったこと自体がたるみを招くことがあるためです。
40代以上の顔の脂肪吸引はたるむ?適応の見極めと3つの注意点|First Clinic 朝野朋医師が解説
この記事では、First Clinic 共同代表の朝野朋医師が、40代・50代以降の方が顔の脂肪吸引・脂肪吸引注射を検討するときに必ず知っておいてほしい3つの注意点を解説します。
結論:40代以上は「取れるか」より「取っていい状態か」を先に決める
40代以降の方の顔の脂肪吸引で最初に判断すべきなのは、どれだけ脂肪を取れるかではなく、そもそも脂肪を取っていい皮膚の状態かどうかです。皮膚の余りが強い状態で内側の脂肪だけを減らすと、余った皮膚はさらに行き場を失い、たるみが悪化する可能性があります。
当院では、40代以降の方に対して次の順番で判断しています。
- 皮膚の余り・たるみの程度を見て、脂肪を減らす治療の適応があるかを決める
- 適応がある場合も、取る量を欲張らず、あえて脂肪を残す設計にする
- 皮膚の引き締め治療や糸リフトを併用する前提で計画を立てる
注意点1|そもそも適応でないことがある(皮膚の余りが強いケース)
30代後半以降に脂肪吸引より脂肪吸引注射を勧めることが多い理由
顔の脂肪吸引は、脂肪をしっかり減らせる一方で、皮膚が縮む力に頼る部分が大きい施術です。そのため当院では、30代後半以降の方には顔の脂肪吸引ではなく、皮膚への影響が比較的小さい脂肪吸引注射をご提案することのほうが多くなります。
ダウンタイムの違いについては脂肪吸引注射のダウンタイムで比較しています。
脂肪吸引注射でも適応外になるのはどんな状態か
脂肪吸引注射であっても、適応にならない方がいらっしゃいます。もっとも多いのは、頬や顎下の皮膚の余りが強すぎるケースです。たるみがかなり強い方は、脂肪吸引注射や糸リフトを行っても期待した変化が出にくく、場合によってはたるみの印象が強まることがあります。
ご自身が「脂肪が多いのか」「皮膚がたるんでいるのか」は、鏡だけでは判断が難しいところです。当院では適応がないと判断した場合は、その旨をカウンセリングではっきりお伝えしています。
適応外のときに検討する治療
皮膚が余っていることが主な原因であれば、余っている皮膚を切除する必要があります。具体的にはフェイスリフト、ネックリフトといった切開を伴う手術が選択肢になります。脂肪を減らす治療とは目的がまったく異なるため、どちらが必要な状態なのかを最初に切り分けることが重要です。
注意点2|ミドル世代は「取りすぎ」が最大のリスク
皮膚の収縮が追いつかないと何が起きるか
ミドル世代以降の方は、すでに皮膚のたるみがある、もしくは今後出やすい状態にあります。この状態で脂肪をたくさん取りすぎると、減った容量に皮膚の収縮が追いつかず、結果としてたるみやシワ感が悪化することがあります。小顔になるどころか、老けた印象に近づいてしまうわけです。
脂肪吸引後にたるみが出る仕組みは顔の脂肪吸引で老けたと言われる理由でも詳しく解説しています。
あえて脂肪を残す設計という選択
「しっかり変化を出したい」というご要望をいただくことは多いのですが、40代以降の方については欲張らず、うっすら脂肪を残す程度がちょうどよいことが少なくありません。当院ではその理由を事前に十分ご説明したうえで、あえて脂肪を残す設計を選ぶことがあります。
どこを取ってどこを残すかの考え方は脂肪配置のバランス、部位ごとの適応は部位別の吸引方法と適応をご覧ください。
こけ・凹凸は修正が難しい
一度ボコついてしまったり、頬がこけたり、皮膚がシワシワになってしまった場合、それを元に戻すのは簡単ではありません。修正の選択肢が切開リフトしか残らないという状況にもなりかねないため、初回の設計を慎重に行うことが何より重要です。
注意点3|引き締め治療・糸リフトの併用は前提として考える
エンブレイスRF・モフィウス8で皮膚の収縮を助ける
脂肪吸引や脂肪吸引注射と糸リフトは併用しなくてもよいと考える医師もいますが、当院では若い方でも基本的に必要と考えており、ミドル世代以降の方はなおさらです。30代以降の方には糸リフトに加えて、エンブレイスRFやモフィウス8、クォンタムRFなどの皮膚引き締め治療の併用をお勧めしています。
年齢が上がるほど皮膚が自力で縮む力は弱くなります。熱によって皮膚の収縮を補助することで、脂肪を減らしたあとのたるみを抑えやすくなり、今後のたるみ予防にもつながります。
術後のメンテナンス
手術後も、定期的なたるみケアや糸リフトのメンテナンスを続けていただくことをお勧めしています。単発の手術で終わりにせず、数年単位で輪郭を維持する計画として考えていただくほうが、結果的に満足度は高くなります。
年代別に見た考え方の目安
- 20代〜30代前半:顔の脂肪吸引・脂肪吸引注射。皮膚の収縮力が期待できるが、それでも取りすぎには注意
- 30代後半〜40代:脂肪吸引注射を軸に、糸リフト・引き締め治療を併用。取る量を抑える設計に切り替える
- 50代以降:皮膚の余りの程度で判断。余りが強ければ切開を伴うリフト系。適応の切り分けが最優先
年齢はあくまで目安で、実際の判断材料は皮膚の余りと脂肪の量です。同じ50代でも適応が分かれます。
カウンセリングで確認したい4つのこと
- 自分の原因は脂肪なのか、皮膚のたるみなのかを説明してもらえるか
- 適応がない場合に「適応がない」と言ってもらえるか
- どの部位からどれくらい取り、どこを残す設計なのかが具体的か
- 引き締め治療や糸リフトの併用、術後のメンテナンス計画まで話があるか
よくある質問
40代でも顔の脂肪吸引は受けられますか?
受けられる方もいますが、全員ではありません。判断の基準は年齢そのものではなく、皮膚の余りの程度です。皮膚の余りが強い方は、脂肪を減らす治療でかえってたるみの印象が強くなることがあるため、切開を伴うリフト系の治療を検討します。カウンセリングで皮膚と脂肪の状態を診たうえでご説明します。
50代・60代だと、もう脂肪吸引注射も難しいのでしょうか?
年代で一律に決まるものではありません。50代・60代でも脂肪が主な原因であれば脂肪吸引注射が適応になることがあります。一方で40代でも皮膚の余りが強ければ適応外と判断することがあります。実際の皮膚の状態を診察して切り分けます。
たくさん取ったほうが小顔になりますか?
ミドル世代以降の方については、取る量と仕上がりの良さは比例しません。皮膚の収縮が追いつかない量を取るとたるみやシワ感が悪化する可能性があるため、あえて脂肪を残す設計を選ぶことがあります。凹凸やこけが生じた場合、修正の難易度は高くなります。
糸リフトや引き締め治療は必ず一緒に受ける必要がありますか?
必須ではありませんが、当院では30代以降の方には併用を強くお勧めしています。年齢とともに皮膚が自力で縮む力は弱くなるため、熱による引き締めで収縮を補助することで、脂肪を減らしたあとのたるみを抑えやすくなるためです。
適応外と言われた場合、他にどんな治療がありますか?
皮膚の余りが主な原因であれば、フェイスリフト、ネックリフトなど、余った皮膚を切除する手術が選択肢になります。脂肪を減らす治療とは目的が異なるため、どちらが必要な状態なのかを最初に切り分けることが重要です。対応可否や費用はカウンセリングでご確認ください。